Clean and Green Australia?!

 オーストラリア人はよく「オーストラリアは海外で人権や環境問題において高い評価を得ている」と言っています。少なくとも私はそんな話は聞いた事がないし、多分オーストラリア人がそう思っているだけだろうと考えていました。そして最近あった二つのできごとは、人権でも環境問題でもオーストラリアがけっして世界のリーダーではないことを暴露し、多くのオーストラリア人のプライドを傷つけたようです。

 一つはイギリスかどこかの調査機関の発表で、国民一人あたりのごみの量や、硫黄酸化物などの排出量が先進国中で最悪のレペルだったことです。オーストラリアは今でも鉛の入ったガソリンを使ったり、シドニー等の海岸が未処理の下水で汚染されているという話がありますから、前々からどこが環境先進国だ、と思っていました。単に国がでかくて汚染が目立たないだけのことだろうと思います。

 ただ一部では進んでいる事も確かで、以前にメルボルン郊外の製紙工場の見学に行きましたが、あの特有の匂いが全くしないので驚きました。日本ではかつて湾一つを殺したヘドロの処理も完璧で、工場で使用された水が川に戻るまでには曲りくねった森林の中の水路をめぐりめぐって何と一ヶ月かかるそうです。そしてたどり着くころにはすっかりきれいで、取水している川の水質よりもいいそうです。このあたりは土地のでかさを活かした日本ではちょっとできない技だと思います。

 もう一つの人権問題の方は、国から逃げ船でたどり着いたカンポジア人を、判断を下さないまま(難民の地位を与えていない) 4年以上拘留施設に入れたままにしている事が明らかになった事です。今まであまり注目を集めずにいましたが、チャールズ皇太子発砲事件(後述)がきっかけでマスコミに取上げられ、政府が対策を迫られています。