Japanese?

 先日何ヶ国かの人(みんなアジア系)と食事をした時、タイ人の女の子に「あなたは日本人には見えないわ。」と言われてしまいました。実際インド・ネパール国境で「なんでイミグレーションがいるんだ?」ときかれたり、ブラジル航空の機内ではスチュワーデスが一緒にいた人には英語で、隣の私にはポルトガル語で話して来たりと、日本人だと思われないことの方が多いです。

 メルポルンの町中でもよく中国語で話し掛けられますが、「わからない」と言ったらベトナム人と思われてしまいました。タイではほとんどタイ語で話し掛けられて困ったし、スリランカではタイ人に、パンダラデシュではネパール人だと思われ、グアテマラではインディオだと思われておみやげ売りに見向きもされませんでした。成田空港の係官に英語で話し掛けられたこともあります。映画 Dance with Wolves にインデアンの酋長役で出ていたとの説もありますが、私ではありません。

 私の場合ある人が何人かを判断するには、まず顔、そして服装や髪型、そして動作や習性に着目します。これでノルウェー人とスウェーデン人を区別するのは不可能ですが、ある程度の目星はつくし、特に見慣れたアジア系の場合はある程度の確率で日本系、朝鮮系、中国系などは区別できます。

 顔が一番の決め手で、色白一重目蓋で瓜ざね顔は日本人、角張った顔で目が細ければ朝鮮人、丸顔で目がばっちりは中国人の確率が高いですが、私自身が例外なように断定するのは不可能です。でも大学で見ている限りは、各民族が5人ずつのグループでいればまず間違いなく見分けがつきます。一昔前はいいものを着ていれば大抵日本人でしたが、最近は中国や東南アジアの人も服装が高級になり、この点での区別は難しくなりました。

 ちょっと話を脱線させます。典型的な日本人の顔は平安絵巻に出てくるようなタイプなのでしょうが、前から平安美人に疑問を持っています。同じ様な顔ばかりが描かれているのでそのころはこのタイプが美人だったんだろうと考えられているわけですが、私はきっと美人であるなしに関らず、当時の朝廷周辺は本当にみんなあんな顔をしていたのだろうと考えています。当時の日本はまだ近畿が中心で、征服された、あるいはされつつあった蝦夷や熊襲等は本来他民族だったのではないのでしょうか。肖像画等で違ったタイプの顔が出てくるのは地方の豪族・武士が力を付けて来て以降のような気がします。

 平安日本人の顔をしていない私ですが、これだけ日本人だと思われないというのはちょっと顔の作りだけでは説明できませんが、一つは多分雰囲気が日本人旅行者らしくない、ということだと思います。思い出してみると間違えられる時はほとんど一人でいる時です。一人歩きの日本人はけっこう緊張しているか、キョロキョロしていたりするのに対し、私はほとんどどこの国へ行ってもリラックスしています。服装も日本人旅行者にしてはみすぼらしい?し髪も整っていません。また視線が合っても目をそらさないのがよく話し掛けられる理由だろうと思います。