メルボルン大学の講義に出る

メルボルン大学でのコース

メルボルン大学で私が参加したのは Postgraduate Diploma in Forest Science というコースです。1年間のコースワークで、これで基準以上の成績を収めると論文を書く修士コースへと進めます。

 メルボルン大学は2期制ですが、特に大学院での科目の少なさには驚きました。私が取ったのは前期でたったの4科目です。そのうち1科目は2期にまたがる不定期な社会見学(あとでレポートを提出する)ですから、毎週あるのは実質3科目だけです。もっとも最初の2ヶ月間は他に英語の補習(講義ノートの取り方と文章の書き方)を週2時間とっていました。

 メルボルン大学の講義は実にわかりやすいです。これは別に英語力の問題を言っているのではなく、教え方の問題です。まず最初になぜこの講義が必要かが明確にされ、この講義を終えると何が身につくかが説明されます。また第何週には何をするかがあらかじめ明示されます。

 言っちゃあ悪いですが、私が経験した日本の大学とは、先生の講義に臨む姿勢、準備のしかたがまったく違います。講義中も質問はいつしても自由で、わかるまでしつこく聞けます(中には同じことを何度も聞く学生もいますが、講師は実に我慢強い)。

 週に3科目では余裕たっぷり、かと言うと、これがとんでもない話でした。宿題はがんがん出るは、参考書を読むように指示されるは、はっきり言って予習復習無しではとてもついていけません。生まれてこの方まじめに予習復習するなんて初めてでした。日本では通用する試験前の一夜漬けもだめです。何しろ期末試験の配点は約50%で、あとはふだんの宿題やレポートが点数になるのです。週休二日で結構旅行できるんじゃないか、という当初のもくろみは見事に外れました。

メルボルン大学での学生登録手続き

 さて余談です。学生登録の手続きの時のことです。登録書類の最後にこんな質問がありました。

「あなたは以下のことについて困難がありますか?」
 1.Reading, 2.Speaking, 3.Hearing, 4.........

 「Readingは大丈夫だけどHearingは弱いからなあ」と印をつけようと思いつつ先を読むと、

 7. Walking

 「!?」身体障害についての質問でした。焦って印をつけていたら、危うく恥をかくところでした。