オーストラリアの視聴者のレベル

 前にテレビは買ってないと書きましたが、ついに無いまま過ごし、もっぱらラジオを聴く生活です。いつも聴いているのは日本のNHKにあたるABCですが、違いは商品名などを言っても怒られない事(でもコマーシャルはない)、宗教の番組(無論キリスト教に偏っている)があること、政治等批判したりしてアナウンサーの意見が言える事等々です。

 もう一つ思うのは結構内容のレベルが高い事で、先日なども世界銀行の役割について、視聴者を交えた討論などを放送していました。現在の世界銀行の役割はこれでいいか、とかオーストラリアは拠出金を減らすべきか、と言う問に対し視聴者(ん?ラジオだから聴者だけか)が電話で自分の意見を述べるという物です。日本で同じ番組を放送したとして、一体どれだけの人が世界銀行の役割を理解して、またそれに対する意見を持っているでしょうか。

 しかしこれは逆に言えばABCがちょっとお高くとまっている事でもあります。どう考えてみても、オーストラリア人の多数が世銀を理解しているようには思えません。つまりABCは最初から理解しない人は相手にしないという態度なわけです。

 前に書きましたが、新年早々日本国憲法に関する大学の先生のコメント等を放送して、平均的なオーストラリア人が喜んで聴いているわけがありません。NHKはどちらかと言えばすべての人を対象に考えているようですが、ABCは特定の層を狙っているようです。あるいはテレビはもう少し一般向けなのかもしれませんが。

 もう一つ気付くのはこうしたABCの番組を政治家が非常に重要視しているらしい事です。大臣や野党党首などが毎日のようにインタビューを受け、鋭い質問にまじめに答えています。日本ほど政治家が楽な国は無いかもしれません。