夜間外出禁止令

 メルボルンの郊外にずっと夜間外出禁止令が出ているところがあります。と言っても別にゲリラが出るわけではなく、外出していけないのは猫です。

 メルボルンの東側にはダンデノンというちょっとした山があり、国立公園になっていますが、今ではそのすぐ境まで宅地化しています。そこで問題になっているのが飼い猫です。猫が夜間国立公園に侵入して、保護されている鳥や小動物を殺すわけです。このため、せめて猫が活動的になる夜だけでも外に出さないように、という法律ができたのですが、馬鹿な飼い主が多いのは日本と同じのようで、「うちの猫に限ってそんな悪いことはしません」と言い張って、なかなか守ろうとしない人がかなりいるそうです。

 オーストラリアでは飼い猫のほかに野生化して増えた猫が大問題で、襲われて絶滅近くまで追い込まれている鳥や有袋類もかなりいるそうです。この他にも不注意なヨーロッパ人が持ち込んだ動物で野生化して問題になっているのは、キツネ、ウサギ、ブタ、ヒキガエル、水牛、ラクダ、ロバなどですが、中でも飛びぬけて環境に悪い動物は白人なのだそうです。