オーストラリアの大学院
オーストラリアの大学院入学で重視されるもの
日本では大学院に入るにも試験がありますが、オーストラリアを始め他の国では書類審査が主で入学試験はありません。その代わり日本ではあまり重視されない?学部での成績や、大学院で何をするかという目的が重視されます。また社会経験があるとかなり有利に評価されるようです。このあたりは学部を終えたらすぐ大学院へ行く人の多い日本とはかなり違います。
メルボルンにあるラトローブ大学の日本語科は院生のほとんどが日本人で講義も日本語なら宿題も日本語で出るそうです。どうやら日本の大学院の試験を嫌ってオーストラリアヘ来ているようだと、メルボルン大学の日本語の先生が言っていました。
語学力は大学や国によって要求が違います。メルボルン大学ではTOEFL580点が最低ラインで、アメリカの大学によくある足りない分は補習で補うシステムはありません。英語の補習はあくまでも自主的に選択するもので、強制ではなく単位にもなりません。私も2クラス取りましたが、最初の講義の時には20人もいたのに最後まで出ていたのは5人でした。それも多分能カ的には高いはずの大学院生ぱかりが残り、学部生は殆どいません。結局貪欲に機会を捉えて勉強しようという人間が大学院に来るようです。
オーストラリアの修士の種類
日本の修士に当たるマスターのコースには講義だけのものと研究だけのものがあります。メルボルン大学には講義だけのマスターはありません。私が最初の1年いたのは Postgraduate Diploma (ボストグラドュエイト・ディプロマ)というコースで日本には該当する学位がありません。強いて言えば日本の修士コースの講義の部分を独立させたものと言えますが、名刺にも資格として書いている人がいるところを見ると、かなり独立性の高い学位のようです。
私のコースは途上国からの留学生を意識して組まれたもので、開発計画等という講義があります。またこの1年目のコースで良い成績を取ると翌年マスター・コースに進むことが許されるという仕組みで、従ってサボるわけにはいかないわけです。
キャンベラにあるオーストラリア国立大学からも入学を許可されましたが、こちらは研究だけの修士でした。コースの内容が単に研究して諭文を書くよりも私の仕事に役立つだろうとメルボルンを選んだわけですが、どうやら間違いではなかったと思います。この1年だけでも途上国で農林業関係の仕事をする人には勧められます。ただ問題は研究の期間が1年に限られるわけで、何ができるのか、いいテーマはないかと相当に思案していました。もっとも一年目の成績が悪ければそれまでですが。
予習復習は欠かせないのですが、その原因の一つは講義の進み方が非常に速いという事です。統計の講義などは3ヶ月でもうノートが2冊目です。開発計画の講義では講師の人がはっきりと「大学院生は社会の事を理解しているから学部の倍のスピードで進めている」と言っていました。内容的に理解して講義についていくこどはさほど難しくありませんが、問題はやはり英語で、特に経済用語などの定義は、概念は理解できても日本語でも勉強したことがないので、なかなか言葉が頭に入りません。
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