クィーンズランド

 学期の変わり目に、研修旅行でクィーンズランドヘ行ってきました。ぎっしり詰まった日程の中で、幸いなことにタウンズビル(ケアンズよりも南)という街で一度週末を過ごししたのですが、この沖合いにも例のグレート・バリア・リーフが伸びてきています。日帰りのツアーに(学割で)参加して行ってきました。一緒に旅行していた他の国からの留学生は興味を示さないか、あるいは高い(昼食付きで7千円くらい)と言って誰も行きませんでした。偶然泊っていたモーテルからアメリカ人が一人参加したので彼と行動をともにしました。

 リーフに着くまでには高速艇で2時間ほどかかります。今までにカリブ海、フィリピン、アフリカ沿岸のインド洋で珊瑚礁の海に潜ったことがありましたが、やはりスケールの大きさは桁違いです。1メートル以上もあるシャコガイが結構ありました。ダイバーが足を挟まれるというのは嘘で、この貝は急には殻を閉じられません。ただ冬という事もあって水も風も少々冷たく、長くは水に入っていられませんでした。珊瑚礁もケアンズなどの北の方がもっと奇麗だそうです。

 ケアンズにも行きましたが空港からいきなり日本語の表示があり、日本語のパンフレットがあり、街中には日本語の看板があり、店には日本人の店員がおりでグアムやサイパン並になっているのではないかと思います。(2011年の家族旅行ケアンズの話はこちは)

 オーストラリアはオパールでも有名ですが、日本人が来る街では値段が倍するそうです。それでも日本で買うよりはだいぶ安いと、ウィンドウショッピングで立ち寄った店の人(移民するそうです)が言っていました。 日本人の来ない田舎街で確かめたら確かに安いですが、品ぞろえは貧弱でした。高いブラック・オパールは確かに色彩が見事です。ダイアモンドよりよっほど目が眩みます。お土産用に出ているネックレスは実は鎖の方が高いそうです。参考にしましょう。

 クィーンズランドというと日本ではゴールドコーストかグレート・バリア・リーフ等の海が有名ですが、実は豊かな熱帯降雨林があります。今ではその大部分が保護されており、近々全域が国立公園になるようです。ただ保護地区に指定されるにあたっては地元の林業者が猛烈に反対し、色々と政治的なごたごたもあったようです。森林の方は引率されて数箇所を見学する機会があっただけで、もう少しゆっくりと自由に見たかったと思います。

 タウンズビルで海へ一緒に行ったアメリカ人は交換プログラムでオーストラリアに来ている学校の先生でした。東京オリンピックの時には役員かなにかで日本に行ったそうで、「非常に良く組織されていて、東京オリンピックが今迄で一番良かった」としきりに言っていました。東京オリンピックと言えば沿道に並んで聖火ランナーに旗を振らされましたが、年がばれますね。

 このアメリカ人(名前は忘れた)がまた驚くほど世界中を旅行していて、「モスクワに行ったときにパンを買うための行列を見て、アメリカは何でこんな国を恐れるんだろうと思った」とか視点も典型的なアメリカ人とは程遠く、非常にコスモポリタンでした。東南アジアや中南米、アフリカも知っていました。彼いわく「こんな事をしていたので今でも一人さ」。アメリカに帰ったらすぐ引退してまた旅行するそうです。

 彼が言うにはオーストラリア人はやたら親切で、車をただで貸してくれたりして、「アメリカでは絶対にありえない」そうです。が、ケアンズに飛んだ時となりに座ったイタリア系オーストラリア人のやはり学校の先生は、妹さんが熊本で英語を教えているそうで、やはり車をただで貸してくれたり、生徒が野菜をくれたりやたら親切で「オーストラリアでは絶対にあり得ない」と言っていました。随分前にアメリカでホームステイした経験から言うとアメリカ人も田舎では親切だと思いますが、私も同じケースにあったなら「日本ではあり得ない」と多分言っていたと思います。

 一人旅は一般的に高くつくし、食事なども一人ではあまりおいしくないこともありますが、いいところは人が声をかけてくることが多いことです。もっとも日本人がごろごろいるようなところでは、声をかけてくるような相手は警戒したはうがいいでしょうが。私の場合はヨーロッパやアジアの国へ行っても英語かスペイン語のツアーに参加して、日本語のツアーには参加しないようにしています。そうすると他の参加者が興味を持って話しかけてくることが多くあります。